いちじくは他の果樹にくらべ病気や虫は少ないのが特徴です。
ですが原産地に比べると日本は湿潤な気候なので枝が伸びやすく病害虫も発生しやすいので、栽培の仕方を工夫して発生を少なくしましょう。
いちじくを加害する主なカミキリムシは
「キボシカミキリムシ」と「クワカミキリムシ」の2種
枝・幹から虫糞または木くずがふき出す、緑枝の表皮が食害される。
成虫のカミキリムシは5~7月頃に現れ、枝や幹の表面をかじりその中に1粒ずつ産卵します。ふ化した幼虫は黄白色のウジ虫で樹の中をトンネルをほるように食害し、食入孔から木くずや虫糞を排出します。年1回の発生で、樹の中で成長して翌春、新しい成虫となって飛び出します。
成虫は見つけしだい捕殺します。1匹でも見つけたら、成虫の発生期でもあるので、その後半月は要注意です。
樹幹に直径1-2cmの円形に樹皮を食害して産卵します。
産卵部はよく目立つので見つけしだい、その部分を固いもので押し、中の卵を押しつぶします。樹幹の中に食入した幼虫の防除は難しいので、食入孔がわかれば、その中に薬剤を注入して入り口を粘土などでふたをすると、薬剤がガス状になって中の虫を殺すことができます。
不織布を被せると虫除けになります
サンフラパーA、園芸用キンチョールEなどの先にノズルをつけて穴に吹き込みます。量販店で購入可能です。
葉を食害して孔をあけ、太い葉脈を残して食べる。
幼虫は乳白色から黄白色のやわらかい虫で、カブトムシの幼虫に似ています。
幼虫は常に土壌中に住んでいて、根や腐食物を 食べて成長し、年1回発生します。
土壌中で幼虫の状態で越冬し、春になると成虫となって飛び出します。
体が大きく見つけやすいので捕殺します。
翌日には新たな成虫が飛んでくるので1週間ほど連続して捕殺を続ける必要があります。薬剤を散布しても、新たな虫が飛んでくるのであまり効果がありません。
「寒冷紗」などネットをかけると良いです。
葉の裏側に黄褐色の小斑点を多数生じ、ひどいと葉が枯れたり、落葉する。
さび病は生きた植物にしか寄生できない活物寄生菌です。同一の植物の上に夏胞子をつくり、気温が低下するとそこに冬胞子をつくって、越冬し、翌年それが第一次伝染源となって病気を発生させると夏胞子をつくる、といった同一の植物にだけ寄生を繰り返します。
発病した葉などは摘除して焼却します。降雨で発生が多くなりやすくなるので、密植をさけ、枝葉が過繁茂にならないよう管理が大切です。
薬剤散布は1週間から10日おきに散布します。ひどくなってからの防除は困難なので、初期症状のうちに防除しなければいけません。
濃度を濃くしても効き目はかわりません。むらのないように丁寧に散布しましょう。
葉に黄色の斑紋が現れ、奇形葉となり果実にも黄色の斑紋が現れる。
一年中寄生している果樹の上で過ごし、葉が落葉する冬期は芽や樹皮のすき間で過ごし、春季、新葉が展開をはじめるとともに葉に移動して吸汁を始めます。成長が非常に早く、産卵量も多いので、あっという間に多発状態になり、1枚の葉に数百から数千匹の虫が寄生します。成虫も幼虫も0.2mm前後なので多発しても見つけることは難しいです。
【注意】鉢で管理している場合、特に寒冷地では冬期に室内にとりこむことがあります。冬期は特に乾燥するので ダニがとても発生しやすくなります!
一部の葉に発生している段階では被害葉を切り取って、処分します。
雑草を生やさず、風通しをよくします。
ダニがみられるときは、水遣りの際に葉の両面に水をしっかりかけて流れ落としましょう。冬に冬越しするダニを落葉や雑草とともに焼却すると良いです。
冬季に機械油乳剤を散布すると、越冬しているダニに殺虫効果が期待できます。